ノートの隅に描いた絵が、
なぜか糸になって、
なぜか誰かの手に届いている。
イラストレーター浅田尻と、刺繍。
ふたりのクリエイターユニット、シシュ★シシュ。
描いて、縫って、また描く。
それ以外のことは、あんまり考えていない。
絵を描くひとと、縫うひと。
シシュ★シシュは、ふたりだけのユニットです。
事務所もないし、計画もあまりない。思いついたら手を動かす、それだけで続いています。
浅田尻は絵を描きます。
誰かに見せようと思って描いたことはたぶん一度もない。
意味もないし、テーマもない。本人いわく「ただの落書き」。
でもなぜか、その落書きにだけ人が反応する。
理由は本人にもわからないらしい。
もうひとりが、その絵を糸に変えます。
渡される絵はだいたい「これ縫えるの?」というものばかり。
それでも色を選んで、順番を決めて、なんとか縫い上げる。
すると不思議なことに、紙の上にあったときより良くなっている。
糸には糸でしか出せない説得力がある。
描くひとは縫わない。縫うひとは描かない。
お互い口は出す。意見が合わないこともある。
でもその距離感のまま、なぜかちゃんとものができあがる。
シシュ★シシュの作品は、すべてオリジナルの絵から始まります。素材やテンプレートは使わない。そもそも使い方がよくわからない。だから毎回、最初の一本の線から。元の絵がちょっと変だから、刺繍にしてもちょっと変になる。「これ何?」と聞かれることが増えました。たぶん褒め言葉です。
カラフルで、ポップで、一見かわいい。でも少し見ていると何かが引っかかる。「なんか気になる」「目が離せない」。そういう感覚を残せたら、と思ってつくっています。見た人がスクショを撮って誰かに送る、あの瞬間が起きたらうれしい。
絵は本来、壁にかけて眺めるもの。でも刺繍にした瞬間、絵は「もの」になる。ワッペンにすればバッグにつけられる。ブローチにすれば胸元に飾れる。美術館に行かなくても、好きな絵を毎日持ち歩ける。それだけのことなのに、やってる人があまりいなかった。
まず浅田尻が絵を描きます。このとき刺繍のことは何も考えていません。「縫えるかどうか」を気にした瞬間、線がつまらなくなる。何十回もやってそれだけはわかった。だから自由に描く。制約は、あとから何とかする係がいるので。
渡された絵を見て、どう縫うかを考えます。どの色の糸を使うか、どの順番で重ねるか、針をどう入れるか。同じ絵でも、設計しだいでまったく別物になる。いちばん地味で、いちばん差が出る工程です。何パターンも試して、いちばんおもしろい仕上がりを選ぶ。
設計が決まったら、あとは縫うだけ。糸が布の上を走る。色が重なる。面が埋まる。さっきまでただの布だった場所に、あの落書きが現れる。何回やってもこの瞬間にはちょっと驚く。紙の上にあったときより、いい顔をしている。
いちばん手に取りやすいシシュ★シシュ。小さいけれど、つくり方は同じ。バッグや帽子につけると、不思議と会話が始まる。「それ何?」と聞かれることが多いようです。
販売中刺繍を額に入れて、壁に飾るタイプ。絵画でもポスターでもない、糸のかたまり。光の加減で糸の表情が変わるので、朝と夜で少しだけ違う作品に見えます。一点ものも出します。
販売中お名前やメッセージを糸で縫う、贈りもの用の刺繍。活字にはない温度が糸にはあります。浅田尻のイラストを添えて、世界にひとつだけのものに。
準備中